前回までのあらすじ。
引きこもりの僕はやっとの思いでウーバーデビューをするために渋谷へ向かい、やっぱり怖いから帰りたい・・・と思いながらもなんとか初めての注文(マクドナルド)を受け、簡単な案件で良かったと喜んで配達を開始をしたのだがナビの不具合で全然違う場所に連れていかれパニックに陥るのであった。
お、お、お、落ちつけ自分。とにかく正しい配達先へ急いで向かわないと。
つぎ間違えたら本当にヤバいので、今度は目的地が違っていないかよく確認してから出発した。
あせるな、あせるな。
焦っている時は事故を起こしやすい。一時停止はしっかり止まる。急いでいても安全運転だぞ。
そう言い聞かせて走ること5分。今度こそ目的地に着いたはずだ。
すぐさまバイクを降りて目的のマンションを探してみる。
あれ?無い。みつからない。
もしやまた違うのか?😱😱😱
そうやって必死に一分くらいウロウロしただろうか。
あった!!!!!
なんてことはない。思いっきり目の前にありました。焦っていると周りが見えないものですね。
入口がオートロックになってる小さめのマンションでした。オートロックのインターホンを押すと女性の声で「はい」と返事があった。
「お待たせしました、ウーバーイーツです」
そう伝えると、カチリと音がして入口のカギが開く。
部屋へ向かう途中、頭の中では悪い考えがグルグルと巡っていた。
僕が道を間違えた事はバレているだろうか? もし気がついていたら何か文句を言われるかもしれない。
嫌だな、怖いなぁ〜。
でも仕方ない。自分に非があるんだからその時は謝らないと。
覚悟をきめて部屋のチャイムを鳴らす。
ドアが少し開いた。
「大変お待たせ致しました」と言って商品を差し出すと、すっと手だけが出てきて袋を掴むとすぐにドアが閉まった。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・終わり?
色々心配した割にあっけない幕切れだった。
ダァー疲れた。
めっちゃイヤな汗かいた😰
もう無理だぁ。
僕はいちばん楽なはずのスライムと一回戦っただけで見事にズタボロにされたのであった。
早く街に帰って宿屋で休みたい🥺
でも1時間かけてここまで来たのに一回やっただけで家に帰るのも…なぁ。
そんなふうに思っているとスマホの画面に
ただいまの配達料919円
…と表示されました。
(当時はこんなに貰えたんですね。現在はこの半額くらいですよトホホ😢)
「えっ!そんなに貰えるの?」
金額が表示されると稼いだ実感が湧いてくる。それにやる気もちょっぴり回復↗️
それと同時に「テレレレッテッテッテー♪」
…とレベルアップの効果音が頭の中に流れた。
uberには経験値やレベルといったシステムは無い。だからあくまで個人的な感覚の話だ。
「やった事が無い」のと「一回やった」では無限大に違う…と言っては大袈裟だけど、全然違うはずだ。
小さいけど大きな一歩。次はもっとうまくできるはず。その次は更に上手に。
何事もそんなものですよね。
最初から楽勝な人もいるし、僕のように苦戦する人もいます。
初めての配達で運悪くドラゴン級の強敵(スカスカの寿司、タワマン、大量案件、住所不備、クレーマーなど)に当たって絶望する人だっているでしょう。
でもそれも良い経験。めげる必要は無いんです。
とか言いつつ僕はめげてましたけどね(笑)
最初の配達が終わってバイクにまたがり、家に帰るか続けるか、その場で10分ほど迷ってました。
また間違えたらイヤだなぁ。
でもなんとかなるかぁ。
命を取られるわけじゃないしね。
大丈夫。そう全然大丈夫だよ。ほら軽やかに声に出してみな。
「全然大丈夫だよ〜ん♪」
…はぁ(ため息)
なにやってんだか、ぼく(^_^;)
「それじゃ、もう少しやってみますか」
僕はバイクのエンジンをかけると再び旅立つのであった。
次回は初めての2件同時配達(ダブル)です。